【執筆者】
田村昌三(第1章)/
新井 充(第2章2.1)/
花井荘輔(第2章 2.2)/
田中則章(第3章3.1)/
木原重光(第3章3.2.)/
高木伸夫(第4章)/
高野研一(第5章)/
若倉正英、岩田 稔、清水健康、東瀬 朗(第6章)/
和田有司(第7章)
自主的な安全活動を評価し、安全レベルの向上へ-
化学業界をあげての懸命な努力にもかかわらず、化学プラント事故は依然発生しています。特定非営利活動法人安全工学会では事故発生防止のために安全文化を考慮した産業安全のあり方について検討し、事業所の安全レベルを表す安全基盤とそれを活性化し補強する安全文化からなる「保安力」を提案、産業安全の確保のためには保安力の向上が重要であるとしました。
本書は、化学業界が自主的な安全活動により、化学プラントの安全を考える上での基本と保安力について解説、加えて保安力評価の方法、事故予防のための事故事例解析についても紹介しています。
本書が安全の基盤構築に注力されている経営層をはじめ、事業所の所長、管理者、また安全管理者から現場の管理者、担当者に至るまで、それぞれの立場で化学プラントの安全を考える上での基本について理解を深め、その安全の確保にお役立て頂けることを願っています。
化学業界をあげての懸命な努力にもかかわらず、化学プラント事故は依然発生しています。特定非営利活動法人安全工学会では事故発生防止のために安全文化を考慮した産業安全のあり方について検討し、事業所の安全レベルを表す安全基盤とそれを活性化し補強する安全文化からなる「保安力」を提案、産業安全の確保のためには保安力の向上が重要であるとしました。
本書は、化学業界が自主的な安全活動により、化学プラントの安全を考える上での基本と保安力について解説、加えて保安力評価の方法、事故予防のための事故事例解析についても紹介しています。
本書が安全の基盤構築に注力されている経営層をはじめ、事業所の所長、管理者、また安全管理者から現場の管理者、担当者に至るまで、それぞれの立場で化学プラントの安全を考える上での基本について理解を深め、その安全の確保にお役立て頂けることを願っています。
【目 次】
■第1章 化学プラントの安全
1.1. 安全の基本
1.1.1. 安全とは/1.1.2. 産業安全の確保とリスク管理
1.2. 産業安全問題と背景
1.3. 化学プラントの安全化
1.3.1. 21世紀の産業安全/1.3.2. 化学プロセスの安全化のえ方/
1.3.3. 事故情報の体系化と活用/
1.3.4. 安全文化を考慮した産業安全/
1.3.5. 現場力の評価と強化
1.4. ま と め
■第2章 化学物質の安全
2.1. エネルギー危険と安全
2.1.1. 化学物質のエネルギー危険性と安全な取り扱い/
2.1.2. 化学反応のエネルギー危険性と安全な取り扱い/
2.1.3. 化学物質のエネルギー危険性評価
2.2. 有害危険と安全
2.2.1. 化学物質の有害性リスク/2.2.2. 健康・環境リスクの評価/
2.2.3. 有害性リスクの判定/2.2.4. 有害性物質の管理
(マネジメントとコミュニケーション)/2.2.5. 国内外の動向/
2.2.6. 今後の課題-不確実な中での意思決定のために
■第3章 化学プロセスの安全
3.1. 化学プロセスのリスク評価と安全
3.1.1. 化学プロセスのハザードとリスク/
3.1.2. 化学プロセスのリスク評価
3.2. 化学設備のリスクベースメンテナンス(RBM)
3.2.1. RBMの基本的考え方/3.2.2. リスク評価の具体的手順
■第4章 化学プラントにおける安全基盤
4.1. 化学プラントのリスクと安全
4.1.1. リスク概念とリスク低減の考え方/
4.1.2. リスクシナリオの検討/
4.1.3. 大規模システムの安全
4.2. 化学プラントにおける安全基盤
4.2.1. プロセス安全管理/4.2.2. 安全基盤情報/
4.2.3. 安全設計/4.2.4. 運転/4.2.5. 保全/4.2.6. 工事/
4.2.7. 災害・事故の想定と対応/
4.2.8. プロセスリスクアセスメント/4.2.9. 変更管理/
4.2.10. 教育
■第5章 産業安全における安全文化
5.1. 安全文化の考え方と必要性
5.1.1. 大規模複雑システムにおける事故/
5.1.2. 組織事故防止に向けた安全文化の導入
5.2. 安全文化の位置付けと重要性
5.3. 安全文化の構成要素
5.4. 産業組織の安全文化の診断
5.5. 安全文化の醸成に向けて
■第6章 保安力とその評価
6.1. はじめに
6.2. 化学事故とその要因
6.2.1. 化学プラントの重大事故とプロセス安全技術/
6.2.2. 化学事故の背景となる要因
6.3. 保安力評価法の策定
6.3.1. 保安力評価導入の背景/
6.3.2. 保安力評価に関する受託事業と保安力評価プロトタイプ
の策定/6.3.3. 保安力向上センターの設立/
6.3.4.センター評価の実施
6.4. 保安力評価の実践
6.4.1. 保安力評価項目/6.4.2. 保安力評価の結果の活用/
6.4.3. 保安力評価のための教材
6.5. まとめ
■第7章 化学プラントにおける事故事例分析
7.1. 事故分析手法PFAと化学プラント安全への活用
7.1.1. リレーショナル化学災害データベース/
7.1.2. 事故分析手法PFA
7.2. 化学プラントにおける代表的事故分析例
7.2.1. 英国・フリックスボローでのシクロヘキサン爆発(1974)/
7.2.2. イタリア・セベソでのダイオキシンを含む蒸気の漏洩(1976)/
7.2.3. インド・ボパールでのイソシアン酸メチルの漏洩(1984)/
7.2.4. 染料工場でスルホン化工程中に爆発(1970)/
7.2.5. エチレン製造工場のアセチレン水添工程で爆発(1973)/
7.2.6. ポリプロピレン製造工場で爆発(1973)
おわりに
索引