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化学工業日報

プロセス開発を楽しもう

通常価格 ¥3,300
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税込み。

著者  伊藤 東
出版社 化学工業日報社
発行日 2021年6月22日
サイズ A5判・248頁
ISBN  978-4-87326-742-5

 

本書の概要

 化学品を生産する化学プラントは複数の技術の組み合わせにより成り立っており、プラントを構成している個々の技術を解明し、全体の技術構成を確立するのが「プロセス開発」です。プロセス開発は「基礎研究」、「個別技術の検討」、「プロセス全体の組立」の3段階を経て技術確立し「本プラントの建設」を行います。
 本書は2部構成で、プロセス開発の「手順(第1部)」と「課題(第2部)」を詳細に解説、AI, IoTを活用したこれからのプロセス開発にも触れています。また、“人間的な要素”を重視し、開発した製品が市場に出回り「個人と社会の繋がり」を感じると共に、技術者としての「自己の成長」も得られたと筆者は説きます。
 「プロセス開発」に意欲を持って従事される関係者必読の1冊です。

【目  次】

はじめに
第1部 プロセス開発の手順
第1章 プロセス開発の概要
1.1 プロセス開発の意義
1.2 プロセス開発はどう進めるか
 1.2.1 プロセス開発の分類
 1.2.2 プロセス開発の手順
 1.2.3 プロセス開発に必要な実験
1.3 プロセス実験(ビーカーから本プラントへの4段階)
 1.3.1 小試験(Beaker scale test)の役割
 1.3.2 ベンチ試験(Bench scale test)の役割
 1.3.3 パイロットプラント試験(Pilot plant test)の役割
 1.3.4 本プラント(Commercial plant)の役割
1.4 技術開発の具体的な目標設定
 1.4.1 安全性向上
 1.4.2 利益性向上
 1.4.3 将来展開への可能性準備
1.5 情報収集と活用
 1.5.1 各種情報の調査
 1.5.2 特許申請
 1.5.3 市場開発の推進
 1.5.4 市場開発の体制と役割分担
1.6 プロセス開発の全体像
第2章 小試験(ビーカー試験)-基礎試験-
2.1 小試験によるテーマの設定
2.2 適正な反応系の選択
 2.2.1 原料系の選定
 2.2.2 溶剤の選定
 2.2.3 触媒の選定
 2.2.4 有毒性の検討
2.3 小試験計画の作成
 2.3.1 小試験設備の準備
 2.3.2 既存技術の確認
 2.3.3 反応工程の把握と設備準備
 2.3.4 組成変化の確認
 2.3.5 物性の確認
 2.3.6 試験体制の準備
2.4 反応解析
 2.4.1 反応系の確認
 2.4.2 反応経路の解明
 2.4.3 反応速度の測定
2.5 反応熱の検討
2.6 反応収率の検討
2.7 製品の単離・精製
2.8 基本物性の把握
 2.8.1 組成分析の実施
 2.8.2 各成分の物性把握
 2.8.3 目的製品の物性確認
2.9 原材料・製品のデータ集積
 2.9.1 基礎物性データ集積
 2.9.2 「データ集」の作成
2.10 小試験成果の整理
 2.10.1 目標物性の検討
 2.10.2 操作条件の検討
2.11 小試験のチーム活動
2.12 特許の申請
第3章 ベンチ試験-単位操作の技術確立-
3.1 ベンチ試験の設備と運転
 3.1.1 ベンチ試験の設備準備
 3.1.2 ベンチ試験の推進体制
3.2 基本物性の解析
 3.2.1 反応条件と主要物性の関係
 3.2.2 操作因子の検討
 3.2.3 反応系の安定性・操作性の検討
 3.2.4 反応生成物の物性評価
3.3 製品化時の物性確認
 3.3.1 添加剤の選定
 3.3.2 実用物性の確立
3.4 副生物への対応
 3.4.1 副生物・不純物の定量的把握
 3.4.2 副生物の特性把握
3.5 市場ニーズの把握
3.6 実用配合の検討
3.7 単位操作の選定
 3.7.1 反応器の選定
 3.7.2 濃縮・単離・精製の方式検討
 3.7.3 配合用混合装置の検討
第4章 パイロットプラント試験-プロセスの確立-
4.1 パイロットプラントの建設・操業
 4.1.1 パイロットプラントの建設
 4.1.2 パイロットプラントの操業体制
 4.1.3 パイロットプラント試験の推進
4.2 単位操作の技術確立とプロセス設計
 4.2.1 単位操作の技術確立(機器仕様,操作条件)
 4.2.2 単位操作検討の具体例
 4.2.3 プロセス全体の設計と評価
 4.2.4 システムの設計・評価
4.3 材質データ収集
 4.3.1 強度試験
 4.3.2 腐食試験
4.4 重要装置の設計(例)
 4.4.1 反応器の設計
 4.4.2 濃縮装置
 4.4.3 生成物の単離装置
 4.4.4 蒸留装置
 4.4.5 製品混合装置
 4.4.6 付帯設備の設計
 4.4.7 サンプリング箇所の設定
 4.4.8 ユーティリティー(用役)等の能力・装置の設計
4.5 パイロットプラント推進体制
4.6 パイロットプラントの技術開発計画(例)
第5章 本プラント計画-生産技術の完成-
5.1 設計基準の設定
5.2 物質収支とエネルギー収支
 5.2.1 物質収支
 5.2.2 熱収支
 5.2.3 運動量収支
 5.2.4 プロセスの最適化
 5.2.5 スケールアップ
 5.2.6 PFD(Process Flow Diagram)
 5.2.7 P & ID(Piping & Instrumentation Diagram)
5.3 機器リストと設備配置計画
 5.3.1 機器リストの作成
 5.3.2 設備配置計画(プロットプラン/Plot Plan)
5.4 海外立地への対応
5.5 操業条件の確立
 5.5.1 操業条件の設定
 5.5.2 品質の確保
 5.5.3 環境への影響検討
5.6 作業標準・作業手順書の作成と教育
 5.6.1 「作業標準」の作成
 5.6.2 「作業手順書」(Operation Manual)の作成
 5.6.3 非常時対応の準備
 5.6.4 製造担当者(オペレーター)の教育
5.7 市場性評価
 5.7.1 市場ニーズの把握と市場予測
 5.7.2 コスト要因データの把握
5.8 本プラントの建設費
 5.8.1 立地の選定
 5.8.2 本プラント建設費の見積もり
5.9 事業性の検討
 5.9.1 製造コスト
 5.9.2 販売数量
 5.9.3 経済性の検討
 5.10 本プラント計画の課題と推進体制
第6章 本プラントの操業と課題-成果の実践-
6.1 安全・安定操業
 6.1.1 安全の確保
 6.1.2 安定操業の維持
6.2 市場対応と供給責任
 6.2.1 市場対応
 6.2.2 供給責任
6.3 品質改善
 6.3.1 安定品質の確保
 6.3.2 品質改善(市場ニーズ対応)
6.4 プロセスの改善,操業方法の改善
 6.4.1 プラントの設計と実操業との差異点検
 6.4.2 プロセスの改善
 6.4.3 操業方法の改善
6.5 人材育成
 6.5.1 プロセス教育
 6.5.2 安全教育
6.6 データの蓄積
 6.6.1 安定操業のデータ
 6.6.2 非定常時のデータ
 6.6.3 環境データ
6.7 緊急時への対応(内部要因と外部要因)
 6.7.1 緊急時の想定
 6.7.2 外部・地域への対応
 6.7.3 内部(自社)要因の緊急時対応案
 6.7.4 外部要因による緊急時対応案
6.8 法令等への対応
 6.8.1 国内法への対応
 6.8.2 海外情報の把握
6.9 各担当部門の役割
第2部 プロセス開発の課題
第7章 プロセス開発でのアイディア活用例-技術の源泉-
7.1 反応時間分布と吸着材性能
7.2 高粘度溶液に適する反応器
7.3 高粘度液と低粘度液の混合
7.4 大容量ペレタイザーの開発
7.5 層分離系の反応器
7.6 排水中の微量有価金属回収
7.7 汚れの激しい反応器の工夫
7.8 市場ニーズに対応するための触媒開発
7.9 微量副生物での分析技術者の貢献
7.10 既存プロセスでのトラブル経験の活用
第8章 プロセス開発による本プラントの安全確保-安全優先の源-
8.1 安全に配慮したプラントの確立
 8.1.1 危険性・危険物の極小化
 8.1.2 危険の回避(反応系,溶剤系)
 8.1.3 危険度の緩和(『絶対安全はない』)
 8.1.4 「全停電」に対応する安全確保(例)
 8.1.5 危険物副生プラントでの安全確保(例)
8.2 リスクへの対応(経営責任と安全文化)
 8.2.1 安全対策への経営資源投入(『経営責任』)
 8.2.2 安全への価値観(『安全文化』の重要性)
 8.2.3 自主的な安全活動(『開発した工場は自分達で守る』)
8.3 プロセス開発とプラント操業での安全の役割分担
 8.3.1 「安全の格言」より学ぶ
 8.3.2 「プロセス開発」での役割分担
 8.3.3 「プラント操業」の役割分担
8.4 安全の向上
 8.4.1 安全教育の継続
 8.4.2 安全活動への第三者評価の活用
 8.4.3 外部要因災害への安全対策
8.5 安全の経済評価
 8.5.1 損失を押える安全活動(『守りの安全活動』)
 8.5.2 利益を拡大する安全活動(『攻めの安全活動』)
第9章 プロセス開発の意義と役割-技術の源泉-
9.1 プロセス開発を行う目的
 9.1.1 化学品は社会発展に貢献
 9.1.2 プロセス開発の重要性
9.2 化学技術とは何か
 9.2.1 「技術の定義」を知ろう
 9.2.2 技術開発は“社会・企業・個人” に貢献
第10章 「AI時代」のプロセス開発-これからのプロセス開発-
10.1 技術の動向
10.2 産業でのAIの活用状況(例)
10.3 AI活用時の操業範囲
10.4 化学プラントのAI化方法(2段階法)
10.5 AI化プラントでの制御システム
 10.5.1 AI新制御システムの活用
 10.5.2 AI化プラントでの操業条件
 10.5.3 新プラントでのデータ蓄積方法
10.6 化学プラントAI化への準備
 10.6.1 深層学習への情報準備
 10.6.2 異常時の対応検討
 10.6.3 プロセス開発時の知見整理
10.7 AI化プラントの開発体制
 10.7.1 AI化人材の確保
 10.7.2 AI化技術の実証(単位操作,プロセス全体)
10.8 プラントAI化の「期待効果」

おわりに -「プロセス開発による社会貢献」を期待して-

<コラム>
『宝の持ち腐れを無くしましょう!』
『プロセス開発では実験技術も重要だ!』
『機械メーカーの見学・実習の経験は有用だった!』
『仲間の強い絆が成功の秘訣!』
『開発計画と担当グループの確保が技術開発を促進する!』
『新技術開発では最先端技術を採用しよう!』
『プロセス開発には広い技術視点で!』
『安全に配慮したプロセス開発を!』
『技術開発で社会に貢献をしよう!』
『AI をどんどん活用しよう!』。