大学での研究で化学工学を知って実験をすれば思わぬ効率の良い手法が見つかるケースもあるなど、プロセス化学と化学工学は極めて密接な関係にあることが本書を読んでいただければ分かってもらえると期待している。
ぜひ本書を手元に置いていただき、『医薬品のプロセス化学』同様に活用していただければ、そして製法確立の手段の一助となれば望外の喜びである。
(はじめにより)
本書の内容
はじめに
第1章 反 応 熱
1.1 反応熱制御の目的と方法
1.2 発熱反応とは
1.3 発熱反応の例
1.4 暴走反応危険性評価の概要と取り進め方法
1.5 暴走反応危険性評価方法
1.6 暴走危険性評価方法
1.7 危険性回避のための対策
1.8 反応プロセスにおける事故事例
第2章 伝熱操作
2.1 伝熱操作の目的と方法
2.2 伝熱の基礎
2.3 伝熱シミュレーション
第3章 混合・撹拌
3.2 撹拌機の種類と用途
3.3 撹拌効率
3.4 撹拌槽のスケールアップ
3.5 撹拌に使用される無次元数
3.6 撹拌操作とトラブル
第4章 晶 析
4.1 晶析の目的
4.2 晶析の基本的事項
4.3 不純物の取り込みおよびその制御
4.4 粒径・粒径分布の制御
4.5 結晶多形の制御
4.6 スケールアップにおける結晶形制御・粒径制御
4.7 アスパルテームの工業晶析プロセス
第5章 ろ 過
5.1 ろ過の目的
5.2 ろ過の方法
5.3 ろ過機の種類と運転上の留意点
5.4 ろ過操作の種類
5.5 スケールアップを考慮したラボでの実験ポイント
5.6 遠心ろ過へのスケールアップ
5.7 ろ過トラブル
第6章 乾 燥
6.1 乾燥の目的
6.2 乾 燥 法
6.3 乾燥機の種類、構造および特徴
6.4 乾燥実験
6.5 乾燥時間の推算
6.6 伝導加熱型乾燥機のトラブルと防止対策
6.7.1 乾燥速度と溶媒残存の影響
第7章 粉 砕
7.1 粉砕の目的
7.2 粉砕原理
7.3 粉砕機の種類および注意点
7.4 粉砕仕事量
7.5 衝撃式粉砕機での粒子径制御および固着抑制検討事例
第8章 蒸留・濃縮操作
8.1 蒸留・濃縮操作の目的と方法
8.2 蒸留の基礎
8.3 単蒸留操作のシミュレーション
8.4 精留操作のシミュレーション
8.5 濃縮操作のシミュレーション
第9章 抽 出
9.1 はじめに
9.2 「分離」とは何か?
9.3 溶媒への分配の機構
9.4 抽出による分離
9.5 三角図の利用
9.6 抽出操作
9.7 抽出溶媒の選択
第10章 カラム分離と膜分離
10.1 カラム精製の原理
10.2 膜ろ過法
第11章 プロセスの危険性と静電気
11.1 静電気現象とその危険性
11.2 静電気の発生機構
11.3 静電気の緩和と放電現象
11.4 放電エネルギーと着火性
11.5 物体の帯電防止方法
11.6 製造プロセスにおける静電気対策
11.7 静電気が着火原因である事故事例
第12章 バイオ医薬品
12.1 はじめに
12.2 バイオ医薬品の基礎知識
12.3 バイオ医薬品の精製工程
12.4 バイオ医薬品のろ過工程
12.5 製造設備
12.6 おわりに
第13章 医薬品原薬製造プロセス開発におけるPATの活用について
13.1 はじめに
13.2 PAT機器を用いた反応プロセス開発への活用例
13.3 PAT機器を用いた晶析プロセス開発への活用例
13.4 PAT技術の課題と展望
第14章 プロセス化学と化学工学
14.1 はじめに
14.2 ラボスケールから実生産へ
14.3 撹拌停止による温度上昇
14.4 教 育 法
14.5 ま と め