爆発的な燃焼現象であるデトネーション(爆轟)現象を定量的・定性的に記述し、物理的側面を丁寧に解説しており、これから系統的に「デトネーションとは何か」を学ぼうという読者には最適です。
近年活発に進められているデトネーションの推進工学分野等への応用研究、エンジンの開発、水素の利用、工場・倉庫等における爆発事故防止のためにも、本書の内容は必須の基礎知識です。
【目 次】
●第1章 はじめに
デフラグレーションとデトネーション/デトネーション現象の発見/チャップマン-ジュゲ理論/デトネーション構造/デトネーション生成物の動力学/デトネーション面の安定性/境界条件の影響/デフラグレーション・デトネーション遷移(DDT:deflagration-to-detonation transition)/直接起爆/未解決の問題
●第2章 デトネーションとデフラグレーションの気体力学理論
基礎方程式/ レイリー線とユゴニオ曲線/ 接点(チャップマン-ジュゲ:CJ)解/ユゴニオ曲線に沿ったエントロピーの変化/燃焼波後方における流れの条件/チャップマン-ジュゲ判定基準/ランキン-ユゴニオ関係式/デフラグレーション
●第3章 デトネーション生成物の動力学
基礎方程式/発散する円筒面・球面CJデトネーション/発散するデトネーションの後方におけるピストンの運動/不均一媒体内の発散デトネーション
●第4章 デトネーションの層流構造
理想気体に対するZND構造/病的な(pathological)デトネーション/非理想デトネーション
●第5章 不安定デトネーション:実験的観測
スピンデトネーション現象/スピンデトネーションのManson-Taylor-Fay-Chu音響理論/スピンデトネーション面の構造/多頭デトネーション/他の断面形状の管におけるセル状構造/セルサイズと化学
●第6章 デフラグレーション・デトネーション遷移
(DDT:deflagration-to-detonation transition)
デフラグレーション波の気体力学/遷移現象の特徴/火炎加速機構/デトネーションの発現/デフラグレーション・デトネーション遷移に対する判定基準
●第7章 デトネーションの直接起爆
ブラスト起爆(実験的観測)/ブラスト起爆の数値シミュレーション/臨界管直径/直接起爆のための他の方法/ブラスト起爆の理論/SWACER機構